レンガのこと

札幌のシンボル赤レンガ。
下のほうに目をやると、黒っぽい光沢のあるなんとも言えない色合いのレンガが積まれている。
焼き過ぎレンガというものらしい。
さてこのレンガ。調べてみると、
 普通の煉瓦よりも良質の粘土を、高温で焼き過ぎになるくらいに焼いた煉瓦。吸水性が少なく、摩滅に強い。とある。
なるほど。それで赤レンガの下のほうに使われているわけだ。あの建物全部にこのレンガを使うとなれば膨大な金額がかかってしまうだろう。全てが焼き過ぎレンガでできている建物はこの付近だと4軒という。  
子供の頃、三匹のこぶたの絵本が家にあり、末っ子の作るレンガの家は本当に素晴らしいものであった。
狼が来てもみんなを守ることができる家…という認識でしかないレンガの家は、私の憧れの夢の家でもあった。黄色の長靴をなぜか履いているオオカミが当時、自分の中で怖いものNo. 1だったのだ。
理想のレンガの建物をラッキーなことに見つけ借りることができた2010年。その、数年前に、屋根を変えているという。だから雨漏りの心配はない。
新潟から豪雪地帯でも大丈夫なように、職人さんを呼んで作ってもらったという屋根も含め、希少な4軒の中の一つ、オール焼き過ぎレンガのLákura。
この建物をより深く知るきっかけになったのは先日の北海道新聞の記事だ。
ちょうど100年目のこの蔵は、地震にも耐え、今もなお凛としている。
このレンガはなぜこんな独特な色をしているんだろう。と、ずっと思っていたのだが、知るきっかけをいただけたのがまたラッキーだった。オール焼き過ぎレンガのLákuraに愛が深まるわけだ。
この建物の中で過ごす9度目の冬。
そろそろ雪がちらついてきた。
薪ストーブの似合う季節になったなぁ。



Lákura

1919年。札幌市すすきのの片隅で「質屋」として建てられた。2010年初夏。 煉瓦のグラデーションが美しいこの蔵は、Lákura分室としてオープンし、104年経った。(2003年新札幌でLákuraはオープンし、今年20周年を迎えた。)蔵ノ中デ宝サガシ。 服と食と音楽と♪ ビーフシチュー。今日も、笑い声とともに。 長屋的selectshop Lákura 。あなたの暮らしに寄り添えますように。